「会議、誰のため?」

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2025/01/23日経新聞 私の履歴書 岡藤正広 伊藤忠商事会長CEO
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK19DL50Z11C24A1000000
岡藤会長の「私の履歴書」、立場は違えど組織運営の苦心に共感を覚えます。無駄な会議は、役所のみならず大組織共通の弊害となっているようです。
・・・「会議大嫌い」の一文――。そう、私は昔から会議が大嫌いだったのだ。・・・会議で上司が発言するためにどれだけ多くの部下の時間を潰してしまっているか。・・・あるカンパニー出身の駐在員たちはこの会議のために1週間、ネタ探しに走り回っているという。・・・このカンパニーでは金曜になると東京が世界中から情報を集約し、月曜の会議でプレジデントが披露する資料を作っているのだという。
・・・
確かに、このカンパニーのトップは世界中の情勢に精通しているという調子で見事なプレゼンをしていた。だが、自分の話が終わればホッとしてしまい、他部門の話などロクに聞いちゃいない。
「こんなことをやっていたら会社が潰れる」
本気でそう思った。社長になるとすぐにこの情報連絡会の時間を短縮した。続いて毎週月曜開催から月1回に。ついには廃止してしまった。年に1度、3日かけて開催していた特別経営会議も半日に圧縮した。
もっと重要なのは、会議を実りあるものにするため上司に予習を課したことだ。議題を事前に把握して上司が仮説や結論を持って臨めば会議は報告の場から意思決定の場に変わる。それだけで生産性がどれだけ向上するか。
会議の削減は一例だが、こういった無駄な仕事を徹底的に削るという実に地味な作業から私なりの経営改革は始まった。削るだけではない。無駄な損失を防ぐ、そして稼ぐ力を最大化していく。・・・
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