人生論

「ブッダの教え一日一話」今を生きる366の智慧(PHP研究所)

amh

アルボムッレ・スマナサーラ著

「生きるとは、複雑なようであって、じつはとても単純」だと説く

 2014年刊行。スリランカ仏教の伝導者である筆者が、複雑な現代社会で生き方に迷っている人々に、ブッダの教えに則った、生き方の原理原則を一日単位で366話、繰り返しわかりやすく教えてくれる

 もう10年以上前、著者の本に出会い、励まされ、勇気づけられた。

 日々の暮らしにこの原理原則があるだけで、だれでも感じる日々の仕事、家庭、子育てでの漠然とした不安に対して、冷静に対処することができ、いい結果に結びつけていくきっかけになる

 自分をコントロールして「今」に集中する生き方が少しづつ体得できてきたが、気づけば人生の残り時間も少なくなってきていることを実感する。

 心の平穏を得たい方に一読をお勧めし、自分も残りの人生をより大切に、周りの役に立ちながら日々幸せに生きていきたいと思います

ポイント

「今」の行為を大事にし喜ぶこと

  • 人生は「生老病死」という山が東西南北から灼熱の溶岩を噴き上げて迫ってくるようなもの。生まれたら逃げようがなく引き返すこともできない
  • 瞬間たりとも「苦」から離れられない人生を、死に至るまでのゲームと考え、数々の障害に一つ一つ挑戦し創意工夫で乗り越えていく、それが生きていくことの醍醐味
  • 生きること自体は苦しいのはいつも同じ。その中で「いまは楽しい」という人生を過ごすためには「先の楽」というニンジンに惹かれるのではなく、一つひとつの問題を今この瞬間に解決することを楽しみにすべき
  • 実際に存在するのは「いま」。過去も未来もなく常に「いま」しかないことを意識して、いまの瞬間のことに腰を据えて行ってみる。そういう人が成功の道を歩む
  • 「いま」いいことをやっておけば、次はいい結果が出る。自分にとって有意義な苦しみを選んで、大切なことを、やるべきことをその都度その都度しっかりやる。それで、何の問題もなく人生はうまくいく
  • 無常こそが全ての存在のありよう。未来は常に変化する。無常という真理を認める人は明るく、活発になる。

「いま」幸福になるしか道はないと意識すること

  • いまの瞬間、幸福をみつけた人は、次の瞬間も幸福にする方法を知っている 実際に生きているのは、いまの瞬間だけ。いまの瞬間が本番だから、いまの瞬間の自分を観ていくだけ
  • 幸福というのは、いまの瞬間に得るべきもので、「明日、幸福になろう」とか「将来、幸福をつかもう」という人は、ずっとなれない。そういう生き方は、「いまの瞬間は不幸でもいい。今日は苦しんでもいい」ということと同義。

結果よりも「行為」を大切にすること

  • 大切なのは、「ではどうすればいいのか」「次にどうするのか」と考えること。結果というものは、どうなるかわからないの。結果よりも、行為を喜ぶことが大切
  • 結果を気にする人は、けっしていい仕事はできない。 スポーツで優勝だけを目的にしたら苦しい。 毎日の練習が楽しくて仕方がなくなるほうがいい
  • 歯を磨く、顔を洗う、料理する、食べる、電車に乗る──、そういったとてつもなく単純なことを、何ということもなく穏やかに行う。 過去のことや将来のことで、頭を混乱させないで、穏やかにほほえんで行う。 そういう人は、何ひとつ人生に失敗はしない
  • 生きることは苦だとしても、その瞬間に対応することで、つねに充実感あふれて生きられるのです。そこに、想像できないほどの、安らぎ、安穏、平安がある

他人と争わないこと

  • 地位や名誉などこの世の仮のかぶりものへの執着を捨て、勝ち負けを争うのではなく、勝ち負けを超越した道をさがすことが大切
  • 他人と関係なく、自分の能力を思う存分活かす
  • 大切なことは、戦いの泥沼に足を入れずに、戦いを「乗り越える」こと。ブッダは、「聖者は、勝ちも負けも乗り越えて平安に住む」と説く。だれかに勝つ必要もないし、だれかに負ける必要もない

心の清らかさ(嫉妬・憎しみ・怒り・貪りなどで心が汚れていないこと)を求めること

①怒らない
  • 怒ると、体の中に火が生まれる。幸福な人生に対する猛毒は、怒ること。
  • 相手に汚物や炭火を投げつけようとすると、先に汚れたり火傷をしたりするのは、相手ではなくて自分
②自由な心
  • 自由な心とは、どんなことがあっても波立たない、揺らぐことのない心
  • 揺らがない人は、何か反論されても、感情的になることはない。感情的になるのは、すでに「負けている」ということ
③心の動きを捉える
  • 自分の体の動き、呼吸、歩き方、そして感情の動きなど、具体的な動きから、心はとらえることができる。今という瞬間に起きている心の動きをつかまえたとき、心をおさめることができる
  • 怒ったときには、怒っている瞬間の心を、「怒り、怒り」と、客観的に観ること。「怒ってはいけない。怒りを鎮めよう」などと考えず、ただ客観的に「怒り、怒り」と観る
  • エゴがあると、その感情が外にあらわれ、怒り・嫉妬・落ちこみなどの感情は、人を破壊する。そういうときは、その感情だけを実況中継してみる
  • 怒りがあれば「怒り、怒り」。嫉妬があれば「嫉妬、嫉妬」。落ちこみがあれば「落ちこみ、落ちこみ」と。すると、その感情は消えていき、安らかな心になる。
④モノに依存しない
  • 必要以上にものがたくさんあるのは、多くを依存して、人格ができていない証拠。
  • 高価なものを置きたがるのは、依存が強く気が弱いことの現れ
⑤慈悲の心を広げる
  • 慈悲の心は一切の生命に対して、徐々に広げていくもの。
  • 慈悲の心が生まれてくると、エゴの幻想が消え、主観の問題も消え、心が解放される。

役にたつ生き方を心がけること

  • 生きているということは関係性であり、その関係性の中で何か「役に立つ」ことが大切
  • どんな人でも動物でも微笑んだり、人に安らぎを与えるなど何かの役に立つことは可能

原因は変えることができると考えること

  • 結果に足を引っ張られて悩むことをやめて、よい結果になるように原因をしっかりと調整することに集中する
  • 問題解決に取り組む前に、まず自分のエゴに気づくところが出発点。自我という代物、「自分が偉い」という思考が苦しみを生む原因
  • 反対に自己犠牲によって人の役に立とうとするのも大きなお世話
  • すべてのものは不完全。何ひとつ完全なものはない、というのが真理。「自分が正しい」と思いこんでいるところから問題が発生する
  • 他人に構わずほうっておく。自分のやるべきことだけを、きちんとはたしていけば、ものごとはうまくいく
  • 不完全な自分を「いかに完全に近づけていくのか」が生きる道で、その道は限りがなく一生続く

すべて因果関係をみていくこと

  • 結果よりも、プロセスが大事。プロセスを正しく分析して、因果関係を理解して行うと、期待した以上のよい結果が出る。
  • 小さなことでも、そこに因果関係を発見しながら行う人は、「巧み」という能力が身についている。「巧み」は、悩み苦しみなく、心配なく、落ちこむことなく、明るく生きるエネルギー

妄想をやめること

  • 「過去」と「将来」に心をさまよわせず、いまに気づいて生きることが、ブッダの説く「能力向上」の秘訣
  • 「理性」を妄想が壊してしまう。「いまできる、やるべきこと」をきちんとやる。そこによけいな思いも入れないで、たんたんとやる
  • 「私」は、流れる川のようなもので、生きるという「流れ」に過ぎない 自分という主観を消してみれば、ものごとが客観的にみえてくるのです。そこにあるのは、ただ行為だけ
  • 自分と呼んでいるものは、歩く、喋る、寝る、考える、食べるなど、無数の行為の連続。 どこにも自分などいない。未来への願いをもつよりも、「いまの自分は何ができるか」を考えたほうがいい
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AMH
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駆け出しブロガー
神奈川県出身、東京都在住
昭和40年代生まれの50代後半
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